自分の葬儀を考える理由と選び方 一般葬・家族葬・直葬の違いと費用を実体験で解説

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「自分の葬儀を考えることは、不吉なことじゃないか」と思う方もいるかもしれません。

でも私は、大切な人を何度か見送る中で、考えが変わりました。準備する時間は、与えられないことがある。それを身をもって経験したからです。

※この記事は筆者自身の体験をもとにまとめています。葬儀の形式や費用は地域・葬儀社・宗教・契約内容などによって異なります。実際の内容は事前に葬儀社や自治体へご確認ください。

義父の言葉が変わっていった

義父はかつて、冗談まじりに「橋の下に投げてくれればいい」と言っていました。葬儀やお墓にこだわりはない、という意味だったと思います。

でも最期が近づいてきたとき、義父の希望は変わっていました。「両親が眠っているお墓に入りたい」と言うようになったのです。

元気なときの「どこでもいい」という言葉と、最期のときの「ここがいい」という気持ちは、違うことがあります。だからこそ、本人の希望を早めに聞いておくことが大切だと感じています。

葬儀を考えるようになったきっかけ

甥が20歳で突然亡くなりました。甥は20歳で突然亡くなりました。突然の出来事で、準備する時間は一切ありませんでした。

悲しみの中で、葬儀の内容や費用について冷静に考える余裕はほとんどありませんでした。後から妹に聞いた費用は、想像していたよりも高額でした。「親より子が先に逝く」という現実の前では、金額について何も言えませんでした。それでも、元気なうちに葬儀の希望や費用について考えておくことは、残される家族の負担を減らすことにつながると感じています。

その約1年後、今度は私自身が脳出血で倒れました。入院・退院後も、生活のこと、お金のこと、もしものことが頭から離れませんでした。体調が悪いときほど、冷静な判断ができなくなることを痛感しました。

これらの経験から、元気なうちに自分の葬儀について考えておくことの大切さを感じるようになりました。

義父を直葬で見送った経験

義父は生活保護を受けていたこともあり、直葬で見送りました。

施設からすでに葬儀社へ情報が入っていたため、打ち合わせは電話とLINEだけで済みました。思っていたよりずっとスムーズに進みました。

そのとき葬儀社の方が「喪主様が電車で移動されるなら、小さい骨壷もありますよ」と教えてくれました。私は脳出血の後遺症があり、長距離の移動が大変な状況でした。喪主として電車で骨壷を持って帰ることを想像すると、小さい骨壷は現実的な選択でした。

「入りきれなかった骨はどうなりますか」と聞くと、「業者できちんと供養したうえで、所定の方法で対応します」との説明でした。内心、本当にきちんとしてもらえるのだろうかという不安はありました。でも電車での移動を考えると、小さい骨壷にしてよかったと思っています。
実際には小さい骨壷だったので、狭い部屋でもお供物や花を飾ることができました。

当時は1LDKの部屋に母と二人で暮らしていたため、納骨までの間どこに骨壷を置こうかと妹と相談したことも今となっては懐かしい記憶です。

「割り切れた」と言えるのか

義父の葬儀について、後悔は一つだけです。写真がなかったことです。施設でのクラスター感染で面会ができないまま亡くなり、部屋の片付けも急がなければならない状況でした。遺影のことまで頭が回りませんでした。

そして今でも時々、自問することがあります。

「もしこれが自分の子どもだったら、同じように割り切って判断できたのだろうか」と。

義父だったから冷静に判断できた部分があったのかもしれない。血も涙もない考え方だったのだろうかと、複雑な気持ちになることがあります。

でも今は、あのときの判断は精一杯の判断だったと思えるようになりました。葬儀の選択に正解はありません。そのときの状況・家族の事情・本人の意思を踏まえて選んだのであれば、それが一つの答えです。

葬儀の形を知っておく

葬儀の形は大きく3つあります。

形式参列者内容費用目安
一般葬50〜100人以上通夜・告別式・火葬100〜200万円前後
家族葬10〜30人程度通夜・告別式・火葬50〜120万円前後
直葬家族のみ火葬のみ15〜30万円前後

「家族葬=必ず安い」ではありません。参列者の範囲や会食の有無によって費用は大きく変わります。また呼ばなかった方から「知らせてほしかった」と言われるケースも少なくありません。事前に家族で方向性を話し合っておくことが大切です。

※費用は地域・参列人数・葬儀社・内容によって大きく異なります。
※費用は一般的な目安です。地域や葬儀社、参列人数、プラン内容によって異なります。

葬儀費用が高くなりやすい理由

葬儀は「比較する余裕がない状況」で決めることになります。これが費用が高くなりやすい最大の理由です。

  • 基本プランに含まれない費用が多い 安置日数・ドライアイス・搬送距離など、後から積み重なる
  • 断りにくい雰囲気がある 「多くの方が選ばれています」という言葉に、悲しみの中では断りにくい
  • 専門用語が多く内容が把握しにくい その場で質問する余裕もなく、理解しないまま受け入れてしまう

費用を抑えるための工夫

  • 事前に複数業者の資料を取り寄せておく
  • 公営斎場を使う(民間より費用を抑えやすい)
  • 参列者の人数を絞る
  • 会食を省略する

費用が高い=悪い、ということではありません。大切なのは、納得して選んだかどうかです。

死を意識したとき、変わっていくもの

看護師として、多くの方の最期に立ち会ってきました。そこで感じてきたことがあります。

私が看護師として関わった方の中には、自分の死を意識するようになってから、ご先祖様や神仏のことを話される方もいました。信仰というより、何か大きなものとつながろうとする気持ちのように、私には見えました。

私自身も、脳出血で倒れてからは変わりました。以前は形式として行っていたお墓参りや手を合わせることが、今は「本当に届いてほしい」という気持ちでやっています。

死を身近に感じることで、何を大切にしたいかが少しずつはっきりしてきた気がします。それが、自分の葬儀や供養の形を考えるきっかけにもなりました。

自分の希望を家族に伝えておく

私自身は、家族に散骨を希望していると伝えてあります。甥の葬儀のあと、すぐにパンフレットを取り寄せて用意しました。

散骨を選んだ理由は、家族に迷惑をかけたくないという気持ちと同じくらい、「海に帰りたい」という気持ちがあったからです。

甥の死が、私の考えを大きく変えました。大切な人を亡くして感じたのは、人の魂はお墓の中には眠っていないのかもしれない、ということでした。形よりも、どう生きたか、どう繋がっていたか
そちらの方が大切な気がしています。

「なんとなくそうしてほしい」という曖昧な伝え方ではなく、パンフレットという形で残しておくことで、残された家族が迷わずに済みます。元気なときに「自分はこう思っている」と伝えておくことが、残される人への一番の思いやりだと感じています。

後悔しないための準備チェックリスト

  • 葬儀の形式の方向性を考えておく(一般葬・家族葬・直葬)
  • 費用の上限を決めておく
  • 呼ぶ人の範囲を考えておく
  • 連絡してほしい人をリストにしておく
  • 元気なうちに遺影に使える写真を撮っておく
  • 通帳・保険・書類の保管場所を家族と共有しておく
  • 自分の希望を家族に伝えておく(パンフレット・終活ノートに残す)

よくある質問

Q. 家族葬と直葬、どちらが費用を抑えられますか?

一般的には直葬の方が費用を抑えられます。直葬は通夜・告別式を行わず火葬のみのため、15〜30万円前後が目安です。家族葬は50〜120万円前後が多く、参列者の人数や会食の有無によって大きく変わります。「家族葬だから安い」とは限らないため、事前に内訳を確認することが大切です。

Q. 直葬にして後悔しませんか?

後悔するかどうかは、本人や家族が納得して選んだかどうかによります。私自身は義父を直葬で見送りましたが、「静かに送りたい」という義父の意思を尊重できたと思っています。ただし「知らせてほしかった」という方が後から出てくることもあるため、事前に家族で範囲を話し合っておくことをおすすめします。

Q. 葬儀の希望はどうやって家族に伝えればいいですか?

口頭で伝えるだけでなく、パンフレットや終活ノートに書いて残しておくと確実です。「散骨したい」「家族だけでいい」など方向性だけでも書いておくことで、残された家族が迷わずに済みます。私自身は散骨のパンフレットを取り寄せて手元に置いてあります。

まとめ

自分の葬儀を考えることは、自分のためというよりも、残される人のための準備です。

迷う時間を減らす・悩み続ける負担を減らす・判断の基準を残す。
それは特別なことではなく、今できる現実的な思いやりです。

すべてを完璧に決める必要はありません。「方向性を持っておくこと」が一番大切です。

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さくらこ

はじめまして。
「さくらこ」です。
元看護師。関東在住で
高齢の母と暮らしながら実母・義父の介護、看取り、相続手続きを経験。
自身も脳出血で倒れ、後遺症と付き合いながら暮らしています。
介護・終活・葬儀について、現場で得た知識と実体験をもとに
発信しています。

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