「自分の葬儀を考えるなんて、縁起でもない」
以前の私は、そう思っていました。
けれど、身近な人の死と、自分自身が生死を彷徨う経験を通して、葬儀のことは「亡くなった後ではなく、生きている今だからこそ考えられること」だと感じるようになりました。
甥が若くして突然亡くなり、その約1年後に私自身が脳出血を起こしました。
この2つの出来事は、「準備する時間は与えられないことがある」という現実を強く実感させるものでした。
そのとき初めて、葬儀やその後のことを他人事ではなく、自分自身の問題として考えるようになりました。
終活全体について知りたい方は、こちらの記事も参考になります。
終活とは何をすること?60代から始める具体的な準備と体験談
残された人は冷静に判断できない
人は、大切な人を亡くした直後、冷静な判断ができる状態ではありません。
時間に追われ
気持ちの整理がつかず
分からないことが多いまま
葬儀の内容や費用について、次々と決断を迫られます。
その状況を、残される人に一人で背負わせたくない。
そう思うようになりました。
葬儀は「気持ち」と「現実」が同時に押し寄せる
葬儀では、悲しみの中で
・葬儀の形式
・費用
・日程
・手続き
などを同時に考えなければなりません。
気持ちだけでも、現実だけでも判断は難しく、その両方が重なることで負担はさらに大きくなります。
だからこそ、元気なうちに少しずつ考えておくことに意味があると感じています
すべてを決める必要はない
ここで大切なのは、「すべてを細かく決める必要はない」ということです。
大切なのは
・どんな形で送りたいのか
・どのくらいの規模を望むのか
・費用はどこまでか
といった「考え方の方向性」です。
例えば
・大きな式は望まない
・家族だけで静かに送りたい
・費用はこのくらいまで
こうした考えがあるだけで、残された人の判断は大きく変わります
なぜ準備が必要なのか
葬儀は、突然始まり、短時間で多くの判断を求められる出来事です。
その場で考えようとしても、
・時間が足りない
・精神的な余裕がない
・判断基準がない
という状態になりやすくなります。
その結果
・必要以上に費用がかかる
・後から「これでよかったのか」と迷う
・家族の中で意見が分かれる
といった問題が起こることもあります。
あらかじめ少しでも考えておくことで、
「迷う時間」を減らすことができます。
これは、費用を抑えるためだけでなく、残された人の精神的な負担を軽くするための準備でもあります。
具体的にやること
すべてを決める必要はありませんが、次のようなことを整理しておくと現実的に役立ちます。
・葬儀の形式を考える(一般葬・家族葬・直葬)
・費用の上限を決める
・呼ぶ人の範囲を考える
・連絡してほしい人をリストにしておく
・葬儀後の供養についての考えを持つ
また、可能であれば
・通帳や保険の場所
・必要な書類の保管場所
なども共有しておくと、手続きの負担を減らすことができます。
すべてを完璧に整える必要はありません。
「方向性が分かること」が一番重要です。
終活ノートは必要?書いておくべき内容
私のケース
私自身、突然の出来事を経験したことで、「準備していないことの不安」を強く感じました。
入院中も退院後も、これからの生活やお金のこと、そして万が一のときのことが頭から離れませんでした。
その中で感じたのは、
「元気なときにしか考えられないことがある」ということです。
体調が悪くなってからでは、判断する余裕がなくなります。
また、身近な人の看取りや葬儀を経験する中で、
残された人がどれほど迷い、悩むのかも実感しました。
だからこそ、自分の考えだけでも残しておきたいと思うようになりました。
すべてを決めるのではなく、
・どう考えているのか
・どうしてほしいのか
それを伝えておくことが、残された人への一番の助けになると感じています。
自分のためではなく「残される人のため」
自分の葬儀を考えることは、自分のためというよりも、残される人のための準備です。
・迷う時間を減らす
・悩み続ける負担を減らす
・判断の基準を残す
それは、特別なことではなく、今できる現実的な思いやりだと思います。
まとめ
自分の葬儀を考えることは、決して不吉なことではありません。
それは
・残される人を思うこと
・迷いを減らすこと
・納得できる判断を支えること
につながります。
すべてを決める必要はありません。
元気な今だからこそ、無理のない範囲で少しずつ考えていくことが大切だと感じています。

