高齢の親と災害に備える 防災準備・避難の困りごと・離れて暮らす場合の対策まとめ

防災

高齢の親や認知症の家族がいると、災害時の避難は想像以上に大変になります。

私自身、母との避難を考えたときに「普通の防災準備では足りない」と感じました。すぐに動けない、荷物が多くなる、判断に時間がかかる。こうした状況は、実際に考えてみて初めて気づくことも多いものです。

この記事では、高齢者がいる家庭の防災準備・実際に避難で感じた困りごと・離れて暮らす親への対策を、体験をもとにまとめています。

高齢者がいる家庭の防災で起きやすいこと

一般的な防災対策と違い、高齢者がいる場合は次のような問題が起きやすくなります。

  • 立ち上がるのに時間がかかる
  • 歩くスピードが遅い
  • 荷物を自分で持てない
  • 環境の変化に対応しにくい

さらに認知症の方の場合は、避難を嫌がる・状況を理解できない・急な変化に強い不安を感じるといったことが重なります。

「急ぐこと」が難しい状況の中で、判断と行動を求められる。これが高齢者がいる家庭の防災の現実です。

最低限そろえておきたい持ち物リスト

まずこれだけは(必須)

  • 保険証のコピー
  • 現金
  • 連絡先メモ
  • スマホ・充電器

介護・生活用品

  • 常備薬・お薬手帳
  • オムツ
  • 着替え・タオル

食事・水分

  • 飲料水
  • ゼリー飲料
  • やわらかい食品・レトルトのおかゆ

「すぐ食べられるもの」「普段食べているものに近いもの」がポイントです。

忘れやすいけれど重要なもの

  • メガネ
  • 補聴器
  • 入れ歯
  • 普段使っている小物

これがないだけで、避難先での生活が一気に不安定になります。意識して確認リストに入れておきましょう。

持病や体調に合わせた準備も忘れずに

高齢になると、糖尿病や高血圧など何らかの持病を抱えている方も少なくありません。防災準備は「一般的な非常食」だけでなく、その人の体調に合ったものを意識しておくことが大切です。

  • 糖尿病の方→ 低糖質の補助食品
  • 食事量が少ない方→ 少量でエネルギーが取れる高カロリーゼリー
  • 嚥下が不安な方→ レトルトのおかゆ・とろみのついた飲み物

また、既往歴のメモとお薬手帳は必ず持ち出せるよう準備しておきましょう。紙の情報があると、避難先の医療機関でもスムーズに対応してもらいやすくなります。

持ち出しの工夫 重すぎると持ち出せない

防災グッズはリュックにまとめ、玄関に置いておくのが基本です。ただし1つに詰め込みすぎると重くなり、いざというとき持ち出せなくなります。

防災は「完璧に準備すること」ではなく、「すぐに動ける状態を作ること」だと私は思っています。最低限を決めて、すぐ持てる状態にしておくことが現実的な備えです。

実際に避難を考えたときに感じた困りごと

「思った通りに動けない」という現実

実際に母との避難を考えたとき、最初に感じたのは「思った通りに動けない」ということでした。準備していても、荷物が多すぎて持てない、どれを優先するか迷う、高齢者は自分では持てないので手伝いが必要になる。その分、時間がかかります。

判断が遅れる不安

警報が出ても「まだ大丈夫ではないか」「もう少し様子を見てもいいのではないか」と迷いが生まれます。私自身も「もう少し後でいいのでは」と感じた瞬間がありました。この「少しの迷い」が積み重なることで、結果的に避難のタイミングを逃してしまう可能性があります。

避難所での環境変化

避難所では、落ち着けない・トイレの場所が分からない・眠れないなど、普段の生活との違いが大きくなります。特に認知症の方にとって、環境の変化そのものが大きなストレスになります。普段使っているものを持っていく、食べ慣れたものを準備するなど「いつもに近い状態」を意識することが重要です。

今ならこうする

経験を踏まえて感じたのは「完璧な準備より、早い判断」ということです。

  • 荷物は最小限にする
  • 警報の段階で動く
  • 無理に説得しない

防災は、正解を選ぶことではなく、大きく間違えないことだと感じています。迷ったら安全側。この考え方だけでも結果は大きく変わります。

離れて暮らす親の防災対策

離れて暮らす親がいる場合、すぐに様子を見に行けない、連絡が取れないかもしれない、避難できているのか分からないという、同居とは違う不安があります。

① 近所とのゆるいつながりを作っておく

まず大切なのは、近所との関係です。挨拶ができる、顔を知っている、いざというときに声をかけられる、この程度で十分です。深い付き合いである必要はありません。「誰にも知られていない状態」を避けることが大切です。

② 家族でルールを決めておく

離れているからこそ、事前のルールが重要になります。

  • 警報が出たら連絡する
  • 電話がつながらない場合の対応
  • 避難するかどうかの判断基準

あらかじめ決めておくだけで、いざというときの迷いが大きく減ります。

③ 仕組みを取り入れる

人のつながりだけでなく、見守りサービス・配食サービス・緊急通報システムといった仕組みを活用することで、「見ていなくても安心できる状態」を作ることができます。

離れて暮らす親の防災で感じるのは「完璧には守れない」という現実です。だからこそ、近所・家族・仕組みの3つを組み合わせることが大切だと思っています。

これはあくまでも、今の私の考えです

ここまで書いてきた内容は、あくまで私自身の体験や考え方をもとにしたものです。災害時の状況は、地域・環境・家族構成によって大きく変わります。すべての方に当てはまるとは限りません。

特に持病や服薬がある場合は、かかりつけ医の指示や自治体の情報も参考にしながら判断することが大切です。

ただ、実際に考えてみて感じたのは「完璧に準備すること」よりも「迷ったときにどう動くかを決めておくこと」の方が重要だということです。

※実際の災害時は、自治体の指示を優先して行動してください。

もし自分が動けなくなったら

防災を考えるとき、私がずっと頭にあったのは「自分が動けなくなったら、母はどうなるのか」という不安でした。

大きな災害のときだけではありません。

  • 骨折して動けなくなった
  • 避難中に転んで立てなくなった
  • 高熱で寝込んでしまった

そんなとき、高齢の母を誰が助けるのか——。

離れて暮らしている方はさらに不安だと思います。親のそばに駆けつけられない状況で、親だけが取り残されることもあります。だからこそ、「自分が動けない前提」での備えも必要だと感じています。

具体的には、以下のことを決めておくと少し安心できます。

  • 近所に「何かあったらお願いします」と伝えられる人がいるか
  • 緊急連絡先リストを冷蔵庫など目につく場所に貼っているか
  • かかりつけ医・訪問介護・ケアマネージャーの連絡先を家族全員が知っているか
  • 自分が動けないときに誰に連絡するか、家族間で決めているか

完璧に備えることはできなくても、「誰かに繋げる仕組み」を作っておくことが大切だと思っています。

備蓄は「今の家族の状態」に合わせてアップデートする

防災の備えは「一度やれば終わり」ではないと、最近改めて感じています。

数年前に備えたものが、今の母には合わなくなっていることに気づきました。あの頃と今とでは、母の体力も、食べられるものも変わっています。以前は普通のレトルト食品で問題なかったのが、今は飲み込みやすいもの・やわらかいものでないと難しくなってきました。

備蓄も、家族の状況と一緒にアップデートが必要です。年に一度、防災の日(9月1日)前後に見直す習慣をつけると忘れにくいです。

  • 賞味期限が切れているものはないか
  • 今の家族の体の状態に合ったものになっているか
  • 家族の連絡先や緊急情報は最新か

「完璧に揃えること」より、「今の家族に合った備えを続けること」の方がずっと大切だと、私は思っています。

地震が起きたとき 震度5以上の場合の対応

今日(2026年6月25日)、青森で震度6強の地震がありました。台風や大雨だけでなく、地震への備えも改めて確認しておきたいと思い、追記します。

揺れが収まった直後にやること

  • 2人とも無事か確認する
  • 頭・足・腰にけががないか確認する
  • ガラスや食器の破片で足を切らないよう、すぐに靴を履く
  • ガスのにおいを確認し、異常があれば火を使わない
  • 台所・ストーブの火元、ブレーカーを確認する
  • 情報はラジオや自治体の防災無線で確認する。うわさで動かない

余震への備え

震度5以上の地震の後は、1週間程度は余震に注意が必要です。特に地震後2〜3日は大きめの揺れが起きやすいと言われています。

  • 揺れが来たら、すぐ座る・つかまる・頭を守る
  • 倒れやすい家具の近くに長くいない
  • 寝る場所の周りから落下しそうな物をどかしておく

高齢者がいる家で特に大事なこと

  • 揺れの直後は立ち上がらせない まず座る・つかまる・頭を守るが先です
  • 歩くときは転倒に注意 暗い場所では無理に動かない。懐中電灯を使う
  • 常備薬・お薬手帳・眼鏡・補聴器の場所を確認 薬が切れそうなら早めに対処する
  • 水分を少しずつ取る 寒さ・暑さ・水分不足で体調を崩しやすい
  • 不安や混乱で判断力が落ちることがある 家族で「誰が何をするか」を落ち着いて決める

避難が必要かどうかの判断

以下の場合は早めに避難を検討してください。

  • 家が傾いている、壁のひびが大きい
  • 火災やガス臭がする
  • 土砂災害・津波の危険がある地域にいる

高齢者は移動に時間がかかります。「危険になってから」ではなく、早めに判断することが命を守ります。エレベーターは使わず、靴を履いて移動してください。

地震後24時間 高齢者夫婦のチェックリスト

「命・けが・火災・体調」を最優先に確認します。

  • ☐ 2人とも無事か・けがはないか
  • ☐ 靴を履いた(裸足で歩かない)
  • ☐ 火元・ガス・ブレーカーを確認した
  • ☐ 余震に備えて倒れやすい物をどかした
  • ☐ めまい・息苦しさ・胸痛がないか確認した
  • ☐ 水分を取った
  • ☐ いつもの薬があるか確認した
  • ☐ 眼鏡・補聴器・杖を使える場所に置いた
  • ☐ ラジオや自治体の情報を確認した
  • ☐ 家族に無事を連絡した

※地震情報は気象庁・内閣府防災情報をもとに整理しています。実際の災害時は自治体の指示を優先してください。

まとめ 準備・判断・つながりの3つが大切

高齢者がいる家庭の防災は、一般的な備えとは違う難しさがあります。

  • 持ち物は「必須・介護用品・食事・忘れがちなもの」に分けて準備する
  • 持病に合わせた食事・薬の準備も忘れずに
  • 荷物はシンプルに。重すぎると持ち出せない
  • 判断は早めに。迷ったら安全側に動く
  • 離れて暮らす親には、近所・家族ルール・仕組みの3つで備える

すべてを一度に整える必要はありません。「何も決まっていない状態」を避けることが、まず最初の一歩です。

▶︎ 警報が出たときの判断と行動マニュアルはこちら
警報が出たらすぐ避難?認知症高齢者と家族の行動マニュアル

▶︎ 終活・介護の全体像はこちら
終活・介護の始め方まとめ 最初に読むべき準備と後悔しない進め方

▶︎高齢者の避難や防災に関する詳細は、 内閣府「防災情報のページ」 でも確認できます。


※この記事は私さくらこの実体験・個人的な見解をもとにした情報です。介護・医療・法律・税務・相続などに関する判断は、必ず専門家(医師・弁護士・税理士・ケアマネジャー等)にご相談ください。本サイトの情報を参考にされた場合の結果について、運営者は責任を負いかねます。

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