介護や暮らしの「もしも」の前に
年末年始は、久しぶりに家族が集まる大切な時間です。
近況を報告したり、思い出話をしたり、にぎやかな食卓を囲むだけでも心が温かくなりますよね。
でもその一方で
- 介護の話や将来のことなんて、今はまだ早い
- 縁起でもないから、そういう話題はしたくない
そう感じる方も多いと思います。
私自身も、できるだけ避けてきたテーマのひとつでした。
それでも、介護や体調の変化は、ある日突然始まることがあります。
その時になって初めて慌てて話し合おうとしても、心にも時間にも余裕がなくなり
「もっと早く聞いておけばよかった」
と感じる場面がありました。
年末年始のように家族が自然に集まるタイミングは
『重たい話し合い』 をするためではなく
少しだけ確認しておくための、やわらかな入り口 になると感じています。
なぜ、元気なうちに少し話しておくと安心できるのか
▶︎ 私がこのテーマについて考えるきっかけになった体験はこちら
「自分の葬儀を考える理由」
介護や暮らしのことを話題にする目的は
心配させることでも、決断を急がせることでもありません。
それはむしろ
- いざという時に慌てなくてすむため
- 本人の気持ちや希望を大切にするため
- 家族同士のすれ違いを防ぐため
安心して今を暮らすための準備 なのだと思うようになりました。
「話すこと=不安を広げること」ではなく
「話しておく=不安を小さくすること」。
そう受け止められるようになってから
私は少しずつ、やわらかい会話を意識するようになりました。
年末年始に “少しだけ” 確認しておきたいこと
深い話し合いでなくても大丈夫です。
雑談の延長で、ほんの少し触れるだけでも意味があります。
例えば、こんなテーマがあります。
- 最近の体調や通院のこと
- 家で暮らしたいか、それとも状況によって考えたいか
- 困った時に相談できる家族や連絡先
- 大切にしている物・手放してもいい物について
- お墓や供養、仏壇について何となく考えていること
どれも「今すぐ決める」必要はありません。
ただ 心にある考えを少しだけ共有する だけで、家族の安心感は大きく変わります。
どう切り出せばいい?やわらかく始める会話のコツ
将来の話を切り出すのは、少し勇気がいります。
大切なのは
心配だから、ではなく
安心して暮らすために
という気持ちを添えることでした。
例えばこんな言い方があります。
「今すぐの話じゃないけど、慌てないために気持ちだけ少し聞いておきたいな。」
「決める話じゃなくて、考えていることを知っておけたら安心かなと思って。」
「元気なうちだからこそ、落ち着いて話せる今のうちに、少しだけね。」
『相談”』ではなく 『共有』 のトーンで話すと、やわらかく伝わります。
無理に深掘りしなくていい 「今日はここまで」で十分
話し始めてみると
- 「今はまだ考えたくない」
- 「また今度でいい?」
と言われることもあります。
その時は、それで大丈夫です。
今日は少し気持ちに触れただけ。
考えるきっかけをつくれただけ。
それだけでも一歩前に進んでいます。
会話は一度で完結しなくても
心のどこかに「また話してみよう」が残ります。
こうしておくと安心できた、小さなメモ
我が家では結論を出さずに
話した内容を 小さなメモ に残すことにしました。
例えば
- 主治医・病院・薬局の連絡先
- 重要書類の保管場所
- 入院時の連絡先
- 本人が大切にしていること
立派なエンディングノートでなくても構いません。
今の気持ちをそっと置いておく紙 で十分です。
おわりに 未来の話は「縁起でもない」ではなく「優しい準備」
年末年始は、顔を合わせて話せる貴重な時間です。
楽しい会話に、ほんの少しだけ、
これからを安心して生きるための話
を混ぜてみる。
それは不安を大きくするためではなく
安心して暮らすための、やさしい備え なのだと思っています。
無理のないペースで
家族それぞれの気持ちを大切にしながら、
少しずつ言葉を重ねていけますように。
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