• 「認知症の親が避難を嫌がる、どうすればいいの?」
• 「警報が出たけど、今すぐ避難すべきなのか分からない」
• 「家族に高齢者がいると、避難準備のハードルが高い…」
災害が発生しそうなとき、家庭に高齢者や認知症の方がいると避難の判断や行動がより難しくなります。特に、注意報から警報に切り替わったとき、どのタイミングでどのように避難すればよいか、迷う方も多いのではないでしょうか。
私の経験をもとに、「高齢者や認知症の方を含む家庭が安全に避難するための行動」をお伝えします。
このブログでは、警報と注意報の違いを正しく理解し、認知症の方への具体的な避難対応法や事前準備、行動時の工夫までわかりやすく解説し、あなた自身が落ち着いて避難行動を判断でき、家族全員の安全を確保できれば幸いです。
結論:警報が出る前の段階から準備を始め、警報発令時にはすぐ避難できるよう備えることが、家族を守る最善の行動です。
警報と注意報の違いとは?避難行動にどう影響するか
注意報は「注意喚起」、警報は「差し迫る危険」の知らせ
「注意報」と「警報」は、どちらも気象庁から発表される防災情報です。
しかし、意味と緊急度は大きく異なります。
注意報は、災害が起きる可能性がある段階で出される「注意の呼びかけ」です。
たとえば「大雨注意報」は、土砂災害や浸水のリスクに備え、注意深く行動する必要があるという意味を持ちます。
一方で、警報は「重大な災害が差し迫っている」状態を示し、すぐに行動を起こす必要がある情報です。
「大雨警報」が出た場合、すでに危険な状態が目前に迫っており、状況次第では避難を開始しなければなりません。
この違いを理解していないと、避難の判断が遅れ、命に関わることもあります。
警報が出たらすぐ避難すべき?判断基準と行動の目安
警報が出たからといって、必ずしもその瞬間に避難が必要とは限りません。
重要なのは、自分が住んでいる地域のハザードマップと照らし合わせて「避難の必要がある場所かどうか」を判断することです。
また、自治体からの「避難指示」や「高齢者等避難」などの情報もあわせて確認しましょう。
気象庁の警報は「危険度」の指標であり、実際の避難行動を促すのは、基本的に市区町村です。
ただし、家族に高齢者や認知症の方がいる場合は、早めの行動が鉄則です。
「避難指示が出る前」に自発的に避難を始める方が安全です。
避難指示や特別警報との違いも理解しておく
「避難指示」は自治体から発令されるもので、「今すぐに避難してください」という命令です。
「高齢者等避難」は、その前段階で、高齢者や障害のある方、乳幼児など避難に時間がかかる人が早めに避難するよう求めるものです。
さらに「特別警報」は、警報よりもさらに危険な状態で、極めて重大な災害が予想される場合に発表されます。
このように、情報の種類によって緊急度や対応は異なります。
どの情報が出たらどう動くか、家庭内で共有しておくことが大切です。
高齢者がいる家庭での避難判断のポイント
避難が必要なタイミングを見極める方法
避難の判断で重要なのは「タイミング」です。
とくに高齢者がいる家庭では、移動に時間がかかるため、早めの避難が基本です。
以下のような状況になったら、実際の避難を検討してください。
• 雨が強まってきた、長く降り続いている
• テレビやスマホに「警報」が出た
• 地域の防災放送で避難の呼びかけがあった
• 川の水位が明らかに上がっている
• 隣人や地域住民が動き始めている
これらは、「今すぐ準備→避難を開始してもよい」合図と考えてください。
自宅避難と避難所避難、どう判断する?
最近では「在宅避難」という選択肢も増えています。
ただし、以下の条件をすべて満たす場合に限られます。
• 建物の耐震性が高く、倒壊の心配がない
• 土砂災害や浸水のハザードマップ範囲外にある
• 停電や断水への備えが十分にある
• 家族内で役割分担ができている
これらを満たさない場合は、迷わず避難所へ向かいましょう。
特に、認知症の方がいる場合は、生活リズムの維持や支援体制が整っている避難所が安全です。
家族内で事前に決めておきたいルールと連絡手段
避難行動をスムーズに行うためには、家族で「避難ルール」を共有しておくことが欠かせません。
具体的には以下を決めておきましょう。
• どの段階で避難を開始するか(例:警報が出たら即出発)
• 誰が認知症の親を誘導するか
• 持ち出し袋の保管場所と中身の確認
• 集合場所と緊急連絡手段(スマホが使えない場合も含め)
これらを事前に話し合っておくだけで、いざという時に混乱せずに行動できます。
認知症の高齢者を安全に避難させるための準備と工夫
避難を嫌がる・混乱する場合の対応法
認知症の方は、環境の変化に強い不安を感じやすく、避難そのものを拒否することもあります。
そんなとき、実際に私が体験した避難の事例をご紹介します。
🔶実際の避難体験:認知症の母と私が津波警報時に避難した記録(かなり要約してます)
引っ越して間もない地域で津波注意報が発表され、後に警報へ。
認知症の母は「津波はここまでは来ない」と避難拒否。
私が知っている避難所は徒歩30分、腰痛もあり、近所のスーパーに避難先を変更。
「避難訓練だと思ってスーパーに行こう」と伝え、母の習慣(戸締り)を利用し自然な流れで出発。
最小限の荷物(お金・マスク・ティッシュ等)だけを持ち、避難に成功。
途中で自宅に戻る際も、母が安心できる話し相手の近くに席を確保。
この体験から得た教訓は以下の通り:
• 最低限と追加物の2段階で持ち出しリストを作っておく
• 避難先までの経路は事前に実際に歩いて確認しておく
• 認知症の方には「非日常」を強調せず、日常の延長として説明する
消防車のアナウンスも、避難を後押しする大きな要因となりました。
本人の安心につながる声かけや環境づくり
避難中は、認知症の方が混乱しないよう、安心できる物や人の存在が重要です。
• なじみのあるブランケットや衣類を持たせる
• 写真や財布、安心できるものをリュックに入れておく
• 家族の名前や電話番号を書いたメモをポケットに入れる
避難所では、可能な限り騒音の少ない静かな場所を選ぶと、本人の混乱を和らげることができます。
認知症の方のための避難持ち物チェックリスト
• 本人の名前・連絡先を書いたカード
• 常備薬・お薬手帳
• オムツ・替えの衣類・清拭用タオル
• 簡単に食べられる食品(ゼリー・栄養補助食品など)
• なじみのある小物(ブランケット・写真など)
• 最低限と追加で持つものに分けて整理されたリスト
実際の避難行動で気をつけたいこと
『移動時の服装・持ち物・注意点』
• 両手が空くリュックを使用
• 歩きやすい靴
• マスク
• 必要な薬や連絡先メモは忘れずに
『避難所での過ごし方と感染症対策』
• マスク着用・手指の消毒
• プライバシー確保と適度な距離感
• 認知症ケアの相談は福祉スタッフへ
『避難後、自宅に戻る前にすべき確認項目』
• 家屋の倒壊・浸水の有無
• ガス漏れや電気系統の異常確認
• 安全確認できるまで荷物の取り出しは控える
まとめ
災害時、高齢者や認知症の方を含む家族が安全に避難するためには、「注意報」と「警報」の違いを理解し、早めに行動を起こすことが何より大切です。
避難の判断に迷ったときは、迷う前に行動するを意識してください。特に避難に時間のかかる家族がいる場合、「今なら間に合う」という段階で動くことが命を守るカギになります。
また、認知症の方が混乱しないような声かけや持ち物の工夫も、平時から考えておく必要があります。
困った時はお互い様とよく言いますが、認知症の親がいる場合や、自分自身の体力に不安があるときは、地域社会や自治会の力を借りることも必要だと感じました。
「一人で何とかしよう」と抱え込まず、日頃から近所づきあいや地域とのつながりを持っておくことが、非常時の安心につながります。
ぜひ今日から、「我が家はいつ、どう避難するのか?」を家族で話し合い、避難ルールを共有しておきましょう。
防災は、思いついた“今この瞬間”から備えることができます。
あなたの行動が、大切な家族を守る第一歩になります。