「親に介護が必要になったら、どんな施設を選べばいいのだろう…」
そう感じながらも、老人ホームの種類や違いを詳しく知っている方は多くありません。
実際には、特別養護老人ホームや有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅など、選択肢はさまざまです。それぞれ費用や介護体制、生活の自由度に大きな違いがあるため、正しく理解していないと「思っていた生活と違った」と後悔する可能性もあります。
私自身、義父の施設探しを経験する中で「種類ごとの特徴を知ることが比較検討の第一歩」だと痛感しました。そして同時に、親のことを考える過程で「もし自分が将来介護を受ける立場になったら、在宅で暮らしたいのか、施設に入居したいのか」と、自分の将来を考えるきっかけにもなったのです。
この記事では、代表的な老人ホームの種類と特徴を分かりやすく整理し、親に合う施設を選ぶためのポイントを解説します。読むことで、施設選びの基礎知識が身につき、迷ったときに冷静に判断できるようになります。
結論として、後悔しない老人ホーム探しのためには、まず種類の違いを理解しておくことが不可欠です。
老人ホームにはどんな種類があるのか
公的施設と民間施設の大きな違い
老人ホームには大きく分けて「公的施設」と「民間施設」があります。
- 公的施設は国や自治体が運営しており、代表的なのが「特別養護老人ホーム(特養)」です。費用が比較的安く、入居希望者が多いため待機期間が長い傾向があります。
- 民間施設は民間企業が運営しており、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)が代表例です。費用は幅広く、サービス内容や環境も多様ですが、費用負担が大きくなることもあります。
特別養護老人ホーム(特養)の特徴と入居条件
特養は介護度が高い人が入居する公的施設です。入居一時金は不要で、月額費用も比較的安価です。
ただし要介護3以上でないと原則入居できず、人気が高いため数か月から数年待ちになることもあります。
介護付き有料老人ホームの特徴と費用の目安
介護付き有料老人ホームは、介護サービスが一体となった民間施設です。介護度が高くても安心して生活できる体制が整っています。
費用は入居金数百万円~数千万円が必要な場合もあり、月額費用も15~30万円程度かかります。費用は高めですが、その分サービスの充実度が期待できます。
住宅型有料老人ホームの特徴と注意点
住宅型は、基本的には「住まい」としての側面が強い施設です。介護サービスは外部の事業者から個別に受ける仕組みで、自由度が高い一方で、介護度が上がると別の施設への転居が必要になることもあります。
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の特徴
サ高住は高齢者向けの賃貸住宅で、安否確認や生活相談などの基本サービスが付きます。比較的元気な方が対象で、介護が必要になった場合は外部サービスを利用します。住み慣れた
種類ごとのメリット・デメリットを比較
費用面から見た違い
- 特養:費用は安いが入居待機が長い
- 有料老人ホーム:費用は高いがサービス充実
- サ高住:比較的安価だが介護度が上がると課題も
介護体制・医療体制から見た違い
- 特養:介護体制は整うが医療サポートは限定的
- 介護付き有料:介護も医療も充実している場合が多い
- サ高住・住宅型:介護や医療は外部依存が多く、対応に差がある
生活の自由度から見た違い
- 特養:自由度は低め
- 有料老人ホーム:施設により異なるが比較的自由度が高い
- サ高住:自宅に近い自由な暮らしが可能
親に合った老人ホームを選ぶポイント
介護度や医療ニーズを基準にする
義父が在宅酸素を使っていたとき、受け入れ可能な施設を探すのにとても苦労しました。糖尿病でインスリン注射を必要とする方も多く、医療対応可能かどうかは選ぶ上で重要なポイントです。
費用負担の範囲を現実的に考える
一度入居すると長期間になることが多いため、月額費用が家計に無理なく続けられるかを検討する必要があります。「入居はできても支払いが続かない」という状況は避けたいものです。
親の性格や希望する暮らし方を尊重する
親が「自宅のように自由に暮らしたい」と考えるか、「安心して介護を受けたい」と思うかで選ぶ施設は変わります。本人の意向を尊重することが、納得できる施設探しにつながります。
見学で確認すべき「種類ごとのチェックポイント」
特養なら入居待機状況を確認
特養は人気が高いため、すぐに入れるとは限りません。申込みからどのくらいで入居できるのかを確認しておきましょう。
有料老人ホームならサービス内容を確認
介護付きか住宅型かでサービスが大きく異なります。食事やレクリエーション、医療体制などを見学時に確認しましょう。
サ高住なら医療・介護のサポート体制を確認
安否確認や相談サービスはあっても、医療や介護がどこまで対応できるかは施設ごとに差があります。将来を見据えて必ずチェックしてください。
まとめ 種類を理解してから比較検討を始めよう
老人ホームには、公的施設から民間施設までさまざまな種類があり、費用やサービス、自由度に大きな違いがあります。種類ごとの特徴を理解せずに選んでしまうと、「こんなはずではなかった」と後悔する可能性が高まります。
私自身も義父の施設探しを経験し、種類の違いを知ることがどれほど大切かを痛感しました。そして同時に、自分自身の将来についても「在宅か施設か」を考えるきっかけになりました。
後悔しない施設探しのためには、まず種類を理解することが第一歩です。